海外からのクリケット関係者をお迎えして

日本滞在記  アリス・ジョンストン

  • 2018-10-02
  • 海外からのクリケット関係者をお迎えして

日本クリケットの発展に向けて、当協会では継続して、海外からクリケット関係者をお迎えしています。長年に渡り、オーストラリアやイギリス、ニュージーランドを中心に、様々な国からクリケット関係者が来日しています。

このセクションでは、お客様一人ひとりの来日理由や実際に日本で行った活動などに関する記事を掲載しています。

記事をお読み頂き、この活動に興味を持って頂けましたら幸いです。また、この活動に関する質問等がある方は、私達までご連絡ください。


Kon’nichiwa!初めまして!私の名前は、アリス・ジョンストンです。
日本クリケット協会とクリケット・ウィズアウトボーザーズのパートナーシップによる相互選手派遣事業のもと来日しました。本年のインターンに選んでいただいたことを、とても光栄に思っています。

来日してからの最初の1週間を仙台大学で過ごし(9月2日から7日まで)、仙台大学女子クリケットチームの指導にあたりました。佐野市から仙台市までの移動には新幹線を利用したのですが、日本の新幹線は本当に素晴らしかったです!新幹線に乗ることは、私のバケットリスト(死ぬまでにしたいことリスト)に掲げていたことだったのです!

仙台大学はスポーツ関連の教育に力を入れている生徒数2,000名ほどの私立大学です。仙台大学には、陸上競技やラグビー、サッカー、バスケットボール、野球、ハンドボールなど、様々なスポーツ用の素晴らしい施設が整い、生徒たちは勉学の傍らで自分たちの可能性を伸ばすこともできていると感じました。そして最近では、クリケットも大学のプログラムに導入されました(現時点では女子のみですが)。海外のクリケットコーチとしては私が初となり、とても名誉なことだと思いました。夜には、仙台大学の仲野隆士教授(スポーツマネージメント)と仙台市で仙台クリケットクラブを率いるボビー・ゴールドさんが、私とべべさんを夕食に招待してくれました。

大学では毎日女子チームの指導にあたり、午前9時から12時まではネットが張られたハンドボールのコートで、午後1時から3時まではサッカーグラウンドまたは屋内の野球用施設でトレーニングを行いました。指導の内容は、バッテイングやボウリング、フィールディング、ゲーム展開の仕方など、多岐にわたり、女子チームの選手にとっては、初めて学ぶことも多かったようです。私と同年代の女子選手の皆さんとのトレーニングはとても楽しいものでした。共通点もたくさんあり、セッションの間だけではなく、ランチや夕食の時間など、多くの楽しい時間を過ごすことができました。最初の頃は言葉の壁を感じることも少しありましたが、シンプルな説明と沢山のデモンストレーションを行うことで、指導のポイントを理解してもらうなど、皆さんともコミュニケーションをとることができました。最初の3日間には女子日本代表チームで活躍する舞選手も練習に参加してくれました。舞選手にも新たな練習方法を伝え、さらに私自身も彼女の代表としての経験から沢山のことを学ぶことができました(舞選手には、通訳もして頂き、練習をスムーズに行うことができました。ありがとうございました!)。

また、仙台大学関係者の方々も、私が大学で指導することを大変楽しみにされていたようで、皆さんがとても暖かく私を迎えてくれました。

仙台市では温泉や地元の美味しい食事(牛タン豚肉料理、日本酒、沢山のお刺身など)を経験することもできました。その全てが私にとって、一生の思い出となりました!仙台大学での活動はとても価値のあるものだったと感じています。今回の私のインターンシップの中でも、最も重要な活動の1つであったと思っています。

今回の派遣を実現してくださったアランさん、べべさん、JCAの皆さん、そして、私を暖かく迎えてくださり、熱心に活動してくれた仙台大学の生徒や関係者の皆さん、本当にありがとうございました!

仙台市での活動を終えた後、2週間を佐野市で過ごしました。佐野市では、地元の小学校やジュニアクラブで指導にあたりました。佐野市のクリケットプログラムは、佐野ディベロップメントオフィサーである大鳥居さんとジュニアクラブマネージャーの静さん、そしてジュニアクラブコーチのよしさんが主に企画・運営を行っています。スクールプログラムやジュニアクラブのトレーニング、試合、大会などを分担して企画・運営しています。このクリケットプログラムは、オーストラリアのものを参考にし、各学校に合ったプログラムに修正しながら導入しています。

ジュニアクリケットクラブの数を増やすことを目標に掲げ、より多くの学校や生徒にクリケットの楽しさを知ってもらえるよう、現在このスクールプログラムは見直されています。日本のプログラムがどのように行われ、どのような戦略が将来クリケット人口を増やすことにつながるのかを学ぶことは、とても勉強になりました。JCAでは、このプログラムをより良いものにするために何度も会議を重ね、戦略について話し合いをしました。私自身も会議に参加し、JCAの皆さんにオーストラリアのクリケット事情やスポーツ文化を紹介し、新しいアイディア(クリケットを家族にアピールする方法など)を提供する機会も得ることができました。

最初の学校訪問では三好小学校を訪れ、20名ほどの3年生と4年生に向けて、大鳥居さんと一緒にセッションを行いました。当日は大雨に見舞われ(この時期の佐野市ではよくあることのようですが)、体育館を使用してダンスクラブの隣でセッションを行いました。クリケットを行うスペースとしてはあまり広くはなく、更に激しい雨の音やダンスクラブの音楽に囲まれての指導となりましたが、セッションは成功し、生徒の皆さんは楽しくクリケットを学んでくれました!

次の学校訪問では犬伏小学校を訪れ、30名ほどの3年生と4年生に向けて、セッションを行いました。この日は晴天に恵まれ、屋外でクリケットをすることができました。犬伏小学校の関係者の方々は、私がクリケットのセッションを行うことをとても楽しみにしていてくれました。ここでは、スポーツに携わる皆さんにお会いし、クリケットウィズアウトボーダーズのことや私のクリケット経験について、お話する機会も頂きました。犬伏小学校での大鳥居さんと私のセッションは簡単なクリケットの紹介から始め、バットの握り方やキャッチングの仕方などの基本的なスキルを伝え、試合も行いました。

佐野市では学校訪問に加え、佐野ウォータークラウンやオリオンズ・ジュニアクラブでの指導を行い、よしさんや大鳥居さんのサポートとして、U9やU12、U15のトレーニングセッションに参加しました。トレーニング方法に関しては、日本とオーストラリアではかなり異なっていると感じました。日本では、コーチ・選手ともにテクニックを完璧にすることに力を入れ、各スキルを磨くトレーニングに重点を置き、長いトレーニングセッションを行っています。こういったトレーニングの仕方を試合から学ぶもの(座って自分の順番を待つのではなく、全員が常に参加できるもの)に変えることは、私にとっても挑戦でしたが、選手の皆さんが、全力でトレーニングに励む姿には、とても感動しました。佐野市では日本クリケットの未来を担うU12の選手の成長が目覚ましいと感じました。JCAの新たなチャレンジは、協会の役割を広げ、様々な年齢を対象とした大会の整備など、こういった子供たちが成長してもクリケットを続けることができる環境を整えることなのではと思いました。

セッションを通して、子供たちが楽しみながら英語を学んだり、新しいスキルを習得する姿に感銘を受けました!ほんの少しのセッションの間にも、子供たちの成長を感じることができました。きっと日本クリケットの未来は明るいものとなると思います。大鳥居さんとよしさんは子供たちの指導がとても上手な素晴らしいコーチです。お二人と一緒にセッションに参加できたことは、私にとっても大変貴重な経験となりました。